〓 黒の城 モールズタウン 〓


サムによってモールズタウンの宿屋(売春宿)に預けられたギリーは
環境の悪い中で赤ん坊の面倒を見つつ、宿屋の仕事もこなしていた
ある夜、一人の娼婦はギリーの赤ん坊の泣き声の事でギリーに絡んでいた
気にせず仕事を続けるギリーだったが、外から聞こえた梟のような鳴き声に顔色を変える

その頃、野人達が闇に紛れ静かに町への襲撃を開始していた
建物に押入っては素早く残忍に次々と人間を始末していく
そしてギリーのいる宿屋にもやがて野人達が押入り、娼婦と客は皆殺しにされた
始末し終え出て行こうとするイーグリットはその時赤ん坊の声に気付いた
宿屋の奥の物陰に隠れていたギリーと赤ん坊を見つけたイーグリット
しかし彼女はギリーに隠れてるように言い、見逃し立ち去った
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モールズタウンが野人に襲撃されたという知らせは、すぐ黒の城にも届いた
自分の一存でギリーを見殺しにしてしまったと自分を責めるサム
そしてグレンとエドは規則を破りモールズタウンに遊びに出てた仲間の事で揉める

ギリーの生死はともかく、遊びに出てたウォッチの仲間たちは殺されただろう
規則を破り街に女を買いに行った事よりも、問題はただでさえ少ない仲間が減った事
彼らの数を引いて104人となった黒の城を守る男達、そして迫る10万の軍勢
黒の城に近いモールズタウンが襲われたという事は、いよいよ壁への襲撃は近い

誰が最後まで生き残ろうとも・・・良い仲間でいようぜ
先に死んだら燃やしてくれよ・・・・一度死んだなら・・・もう戻りたくないからな


死ぬ覚悟はできてるが、ワイトになって蘇るのは御免だと言うエド
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〓 メーリーン エッソス 〓


メーリーン近くの川で水浴びをするアンサリード達
水中から顔を出したグレイワームは、少し遠くで同じく水浴びをするミッサンディを見た
他の侍女達と共に一糸まとわぬ姿で服や体を洗うミッサンディ
グレイワームは視線を外す事ができず、彼女がこちらに気付くまでずっとそれを見ていた
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その話を聞いたデナーリスは、彼女が裸を見られショックを受けていると思ったのか
ドスラキ族は裸を他人に見られる事など気にせず星空の下で堂々と行為に及ぶ話をし
何よりアンサリード達は去勢されているので、女性の裸に興味を持つ事はないので
気にする必要はないとミッサンディに言う
しかしミッサンディはショックを受けているわけではなく、恥ずかしいわけでもなかった
ただグレイワームの視線が自分への興味からの物だと確信していた


その後、ミッサンディが一人の時にグレイワームが謝りに現れた
グレイワームはぎこちないながらもミッサンディに教えてもらった標準語で気持ちを伝える

謝る必要はないのよ
怖がらせるつもりじゃなかった・・・君の標準語の教えは・・私にとって大切な物だ
あなたは生まれた時の名前を覚えてないの?・・・切り取られた時の記憶は?
何も覚えていない
ごめんなさい・・・気の毒に思うわ・・・・男の子にとっては酷い仕打ちね・・
もし主人達が私から切り取らなかったら、私はアンサリードじゃなかった・・
デナーリス様が主人達を殺す時に、アスタポーの広場に立つ事もなかった
アンサリードの指揮官に選ばれる事もなく・・・ミッサンディとも会う事はなかった・・
今日の事はすまなかった・・・ゆるしてほしい・・


気持ちを伝えて謝り、立ち去ろうとするグレイワームに
ミッサンディも素直に自分の気持ちを伝える

グレイワーム・・・・私を見てくれて・・嬉しかった
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ある日、バリスタン・セルミーは子供から手紙を受け取った
手紙を封じた蝋にはウェスタロスの王の手の印
すぐに子供は走り去ったが、バリスタンはその手紙を読み愕然とする
手紙はロバート・バラシオンのサインが書かれたジョラーへの免罪状だった
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もはやジョラーはデナーリスに近づく事さえ許されず
側近から一転、敵をみるようなデナーリスの視線がジョラーに突き刺さる

なぜ強奪者(バラシオン)があなたに免罪状を?
二人だけで話ができれば・・
無理ね、ここで話しなさい・・・ここで説明するのよ
誰がこの手紙をメーリーンに送ったと思いますか?誰が得します?
これはタイウィン・ラニスターの仕業です・・我々を分裂させたいのです
我々が争っていては彼とは戦えない

免罪状のサインは私達が出会った年よ・・・何であなたは許されたのかしら?
この免罪状が偽造だと言うのなら話は別だけど

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これは・・・偽造ではありません・・・
じゃあ何かしら
私はヴァリスに手紙を送っていました・・・・王国の諜報大臣です・・・
手紙の内容は?
ペントスでヴィセーリスがあなたとドラゴとの結婚を企てた時の事・・・
二人が結婚した時の事・・・・あなたの兄が死んだ時の事・・・

私が彼の子を身篭った時の事も伝えたの?
私は・・・
イエスなの?ノーなの?
カリーシ・・・
その呼び方はやめて・・・あなたは彼に私がドロゴの子を身篭ってる事を伝えたの?
・・・・・・・はい・・・

あのワイン売りが私を毒殺しようとしたのも、あなたの情報あってのものね
私はあなたがあのワインを飲むのを止めました
毒が盛られてる事を知ってたからでしょ
そうなのではないかと思ったのです
私を裏切ってたのね・・・・最初から・・・

跪いて弁明しようとするジョラー
しかしデナーリスは怒りを通り越し、今までの二人の関係を嘲るように
その視線はどこか宙を捉えたままジョラーを見ようともしなかった


お許しを・・・そんなつもりでは・・・・お願いですカリーシ・・お許しを
私はあなたのために戦った・・・あなたを守りました・・

お前は私の秘密を、私の父を殺した者に売ったの・・・なのに許してですって?

あなたを愛してしまったのです・・
愛・・・よくもそんな事が言えるわね・・・
処刑と言いたい所だけど・・・・でもお前は・・・生きようが死のうが私の街にいてほしくないわ
免罪を受諾しキングスランディングの主人の所へ帰るがいいわ・・・できるものなら・・


デナーリス・・お願いだ・・
二度と私の名を呼んだり触れようなんて思わないで
夜になるまでに荷をまとめて街から出て行きなさい
明日まだメーリーンにいたら、お前の首を奴隷達の入り江に投げ込んであげるわ・・・

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〓 ネック モートケイリン 〓


ウェスタロス大陸北部にさしかかる場所にあるくびれ、通称ネック
酷い湿地帯に覆われ、まともに通れる道は大陸を縦に走るキングスロードのみ
その唯一の北部の入り口としてキングスロード上にモートケイリンは建っている
アンダルスの侵略から北部を守るために最初の人達によって作られた城は
1万年以上経った今でもその役目を続けていた
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ロブ・スターク率いる北の軍が南へと進んだ後、鉄諸島人はモートケイリンを奪った
そうする事で北の軍は簡単には北部へ戻れなくなり
それからバロン・グレイジョイは北部侵略に向けヤーラとシオンを送り出したのだった
モートケイリンは少人数でも大軍と戦える地の利を持った強固な城で
今もなお、北部へ戻ろうとするルース・ボルトンの本隊を足止めしていた

そんな中、北からモート・ケイリンに近づくラムゼイ・スノウの軍
ラムゼイはリークとして完全に調教、洗脳したシオンに鉄諸島軍の鎧を着せ
モートケイリンの鉄諸島人を説得し開城するように差し向けようとしていた

奴らになんて言うんだ?
私は・・・シオン・グレイジョイ・・・バロンの息子・・鉄諸島の後継者だ
で・・本当のお前は?
リークです・・・
まるで立派な領主様に見えるぞ・・・恐ろしく・・・誇らしい・・・
私はリークです・・
いつまでだ?
いつまでも・・・永遠に・・
そうだ・・・お前が死んで腐り果てるまでだ、自分が何者なのかを忘れるなよ
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そうしてシオンは無数の死体が放置されたままの地獄のような湿地帯を
一人馬に乗りモートケイリンへと向かっていった






シオン・グレイジョイと名乗る男を城の中へ入れた鉄諸島人達
モートケイリンの中は長い篭城で負傷者と病人が溢れ
守備隊の司令官のケニングという男も疲弊しきっていた

あんたが俺達の王の王子だとして・・・なぜボルトンの軍と一緒に来たんだ?
ウィンターフェルの後、ボルトン卿は私を捕虜にした
彼は君達と誠意ある交渉するために私を遣わしたのだ

で、ボルトン卿は何が望みなんだ・・・?
君達は病気で衰退し、圧倒的に劣勢だ・・・海から何百マイルも離れている・・
もはや維持できない城は放棄し、兵を無駄死にさせないようにと
ボルトン卿は要請しておられる・・・彼は公平かつ公正に対処してくださるだろう
私にそうして下さったように・・・

私達に降伏しろと言うのか・・・
君の王・・私の父もかつてロバート・バラシオンに降伏した
私は彼が跪くのを見た、恥ずかしい事などではない・・
父も名誉のために戦った・・・君と同じように・・・

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恥じゃない・・・名誉のため・・・・そんな事をほざくのは飼い犬だけだ・・・
それか女か・・・お前は女か?小僧・・・・
鉄諸島人は絶対に降伏などしない・・・
シオン・グレイジョイだか誰だか知らんが、帰って主人に伝えろ・・・
何をブツブツ言ってやがる・・・


最初はそれっぽく振舞っていたシオンだったが
ケニングに「飼い犬」「女」と言われ、すっかりリークに戻り震えだす
しかしその時、ケニングの頭に後ろから斧が突き刺さった
守備隊長官のケニングはともかく、兵達に士気はすでになく
降伏して生きるために、兵の一人アドラックはケニングを殺した
そしてアドラックは、白旗を掲げ城を開ければ家に帰れるというシオンの言葉を信じ
モートケイリンを開城した
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しかしモートケイリンに入ったラムゼイは一人残らず鉄諸島人を殺した
アドラックに至っては目をえぐられ、体中の皮を剥がれ殺された

お前だって俺が本当にこいつらを家に帰すとは思ってなかっただろ?
もう皮剥ぎなんて時代遅れだが、伝統は大事だ
歴史あっての俺達じゃないか?だろ?

もう家へ帰るのですか?
ああ、そうだな・・・新しい家にな

うまく仕事をした飼い犬を褒めるようにシオンにじゃれるラムゼイ
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ラムゼイはモートケイリンに掲げられていたグレイジョイの旗を降ろし
それを持って南で足止めされていた父ルース・ボルトンを出迎えに行く
するとボルトンはすぐにモートケイリンに移動せず、ラムゼイを誘って少し歩く

ロックから何か知らせは?
ありません
大した問題ではないな、不具者と子供だ
北の諸侯達も彼らを見てはいない・・・死んだと考えていいだろう
大方の鉄諸島人も北部から逃げ出した・・・そして今回の件、よくやったな

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ボルトンとラムゼイは高い丘まで歩き、そこから北部を見渡す

何が見えるか言ってみろ
湿地帯・・・野原・・・・丘・・・
・・・・何が見えるか言ってみろ
・・・・・何も
何も、じゃない・・・・・これが北部だ
700マイル北へ行ってもまだ北部、東西にそれぞれ300マイルと400マイル
他の6つの国を合わせても北部の方がまだ大きい・・・
そして私は北部監視者・・・・北部は私の物だ・・・
お前の名前は何だ?言ってみろ

ラムゼイ・スノウ・・・
違うな、ラムゼイ・スノウじゃない・・・・
今この時から、最後の日まで・・・・お前はラムゼイ・ボルトンだ
北部監視者ルース・ボルトンの息子、ラムゼイ・ボルトンだ

光栄です・・・あなたの名と伝統を守り続ける事を誓います
あなたの名にふさわしい人間になると約束しましょう・・・・父上

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そしてルース・ボルトンとその軍はモートケイリンを通り北上していく
本拠地のドレッドフォートではなく、廃墟となったままのウィンターフェルへと・・・
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〓 アイリー アリン谷 〓


月の門からライサを突き落として殺したベイリッシュ
目撃者はサンサしかおらず、ベイリッシュはライサの件は自殺とした
しかしベイリッシュと結婚して早々に起こった不自然すぎるライサの死に
アリン家家臣の3人の重臣達が集まり、ベイリッシュを取り調べる
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〇アリン家の旗手でもあるヨーン・ロイス(S1E1の最初に出てきたウォッチ小隊長の父親)
〇ウェインウッド家の女当主、アーニャ・ウェインウッド
〇ナイトのヴァンス・コーブレイ

金貸し、売春業者、そしてタイウィンの飼い犬と碌な評判がないベイリッシュ
そんな男が突如現れライサと結婚したと思えば、数日のうちにこの事件
3人はライサが情緒不安定で普通じゃないのはわかっていたが
彼女が溺愛する息子を置いて自殺するとはとても考えられなかった
そこでベイリッシュを疑う3人は唯一の目撃者である
ベイリッシュの姪というアレイン(サンサ)に話を聞くという

ベイリッシュは顔色が変わり、アレインは未熟な人間で証言者としては役に立たないと言う
そしてどうしてもと言うなら自分が彼女を連れて来ようと席を立とうとした
恐らくベイリッシュはサンサを懐柔するつもりだったが、彼女は既に3人の手の中にあった

サンサは3人とベイリッシュに挟まれるように立たされた
そしてヨーン・ロイスは強い口調でオドオドするサンサを急き立てる
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ごめんなさい・・・ベイリッシュ卿・・・・真実を言わなければ・・
私の名はアレインではありません・・・・・サンサ・スタークです
ロイス卿とは一度ウィンターフェルでお会いした事があります

ベイリッシュ卿はたくさんの嘘をついています・・・・・・全ては私を守るために・・・
父が殺されてから、私はキングスランディングで人質となっていました
ジョフリーや女王サーセイに苦しめられるだけの玩具でした
彼らは私を痛めつけ、辱め・・・そして小鬼と結婚させました・・・
キングスランディングには誰も頼る人がいなかった・・・・・・一人を除いて・・・
彼が私を救ってくれたのです・・・
血縁のライサ叔母様のいる、このアイリーでは私が安全だろうと・・・
ラニスターの手の者はどこにでもいます・・・この谷でさえも
本当の名を誰にも言わないように、と彼は私に約束させたのです


いよいよ窮地に立たされたベイリッシュだったが
意外にもサンサはベイリッシュを擁護しつつ、証言をしていく
興奮気味だったロイスもエダードとは昔からの仲のようで
サンサがネッドの娘だと知るなり、まるで親戚の娘に接するかのようになった

あなた方は叔母様の事を良く知っておられたと思います
彼女が問題のある人間だと・・
彼女はずっとベイリッシュ卿を愛していたと、自分自身で言っていました
8歳の彼が身一つでアイリーにやってきた時からずっと・・

叔母様は(ジョン)アリン卿を愛してなかったと私に打ち明けました
彼女の父親に言われた通りに結婚したと・・・私達の多くと同じように・・
そしてついに彼女はベイリッシュ卿と一緒になる事ができ
彼女はとても幸せでした・・・・一時は
彼女はとても嫉妬深い女性でした
ベイリッシュ卿がもう自分を愛してないのでは、と恐れたのです
若い女のせいで彼に捨てられるのではないかと・・・

ある日・・・私にキスをしてる彼を彼女は見たのです
頬に軽く・・・それだけなのです・・
ベイリッシュ卿は今は私の義理の叔父です、彼はいつも私に優しくしてくれました・・・

ここで自由になれて私はとても嬉しかった・・・全ては彼のおかげです
叔母様は私を敵視し、私の事を娼婦と罵りました
私を月の扉から突き落とすと言って・・・
ベイリッシュ卿が彼女をなだめようとした時、彼女は彼を殴り・・・
もう生きていたくないと言って月の扉の縁に立って・・・・
彼は彼女を説得しようとしました、彼女こそが唯一愛した女性だと言い・・・・
でも彼女は月の扉に飛び込んで・・・・


サンサは泣きながら迫真の演技で嘘を織り交ぜ証言をしていく
泣き崩れそうなサンサを抱いてなぐさめるウェインウッド夫人
3人ともがサンサの涙の証言に完全に飲まれ、引き込まれていた
しかしウェインウッド夫人に抱かれたサンサの目にはもう涙はなかった
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疑いが晴れたベイリッシュと歩くウェインウッド夫人とロイス卿
ロイスは感情的になりすぎ疑った事をベイリッシュに謝る

敵から攻められにくい谷にあるせいか、守りに徹し日和見な所のあるアリン谷の諸侯達
ラニスター家は敵だと言いながらも、この戦争ではスタークに手を貸す事はなかった
ベイリッシュは今こそロビンを立たせ、アリン谷の立場をはっきりさせる時だと言う
過保護に育てられすぎたロビンに剣の振り方、馬の乗り方を教え
アイリーから離れ、自分の領地にある城を見て回るべきだと提案する
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その後、サンサの部屋を訪れたベイリッシュ
北部から首都へとやってきた無知で世間知らずな少女だったサンサ・スターク
しかし今、ベイリッシュの前にいるのはもうその頃のサンサではなかった

なぜ私を助けたのです?
もしあなたが有罪になれば、彼らはあなたを月の扉に放り込んだでしょうね
それは答えになっていません
もし彼らがあなたを処刑したなら・・・彼らは私をどうしたでしょう?
わかりません
私にもわからないわ
知らない者達より知ってる男に賭けたほうがマシだという事ですか・・・?
あなたは私の事を知ってるつもりですか?

あなたの欲しいものは知ってるわ
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ライサから外の世界は恐ろしいと聞かされてた為、城から出る事に脅えるロビン
ベイリッシュはそんなロビンを説得しながら階段を下りていく
城から出ず、自分の領地の事も知らないロビンの為の旅
それに付き添うベイリッシュともう一人、少し大人らしく着飾ったサンサが下りてきた
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その頃、アリアとハウンドもようやく山道を抜けアイリー間近まで来ていた
長旅の内に二人はすっかり仲良く?なり、話を弾ませながら崖の間の道を進む
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(ジョフリーの死を聞いて)嬉しいはずなのにな・・・全然だよ
お前を喜ばせる物なんて何もない
沢山あるさ、ポリバーを殺したり、ロージュを殺したり
つまり自分でジョフリーを殺せなかったからガッカリしてるんだな・・・違うか?
少なくともその場にいたかった・・・やつが自分の死を悟った時の目を見たかった
そりゃいいな、この世に何よりも見ごたえがあるぜ
お前はやつの人生の大半の時間、やつを守ってたんだろ
お前がいればやつを助けれたと思うか?

俺はワインの毒見役じゃない
やつは死んで当然のクソだが・・だが毒は・・・毒殺は女のやり口だ
男は剣で殺すもんだ

そんな事にこだわってるから、おまえは一流の殺し屋になれないんだ
私ならチキンの骨でも持ってればジョフリーを殺してたよ

それが見れるんならそれなりの額は出してもいいな
本当に私の叔母さんが金を出すと思うか?私は彼女に会った事もないんだ
もちろん払うだろう、お前は彼女と同じ血筋だ
家だの、名誉だの、そういう馬のクソみたいなものを
おまえの家系の領主や婦人はいつも口に出してるだろ

私は婦人じゃない




そしてついに血の門にさしかかった二人
門番は弓を向けて二人が何者かを問い、ハウンドは機嫌良く答える

猟犬のサンダー・クレイゲインだ・・・そしてこいつ・・・・旅のお供はアリア・スタークだ
あんたのとこのライサ夫人の姪だ

では哀悼の意を表して言おう・・・・・アリン夫人は亡くなられた・・・三日前に

まさかの門番の返答に完全に固まるハウンド
やっと身代金を手にできると期待して出た、さっきまでの笑顔は完全に消え去った

そしてアリアの行く先々で死んで行く身内や知り合い
会った事もない叔母の死より、さっきまで自信満々に語っていたハウンドを思い出し
笑いが止まらないアリア
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〓 キングスランディング 〓


決闘裁判当日、ジェイミーはティリオンの牢を訪れ生涯最後になりえるワインを差し入れる
二人で話をしている内に、ティリオンはいとこのオーソン・ラニスターの事を思い出した
乳母が頭から落としたせいでおかしくなったオーソンは
毎日ずっと庭で石を手に持ち、クークークーと唸りながらひたすら甲虫を潰すのだった

ティリオン少年は好奇心から彼への興味はどんどん深まっていった
なぜ彼が甲虫を殺すのか?彼に聞いたがまともに会話にならず
メイスターの書斎で調べても知的障害者の虫殺戮についての手がかりはなかった
彼が虫を虐殺する背景にあるものは何なのか?
ティリオン少年は動物の習性を追求するように、ただひたすら彼を観察し続け
やがてオーソンの顔が未知の言語で書かれた本のページに見えるようになった

ますますティリオンは探求する事にとりつかれ、途方もない時間を観察に費やし始めた
昼食も庭で観察を続けながら食べ、羊肉を噛む音さえクークークーと・・
そうしている内にティリオンは四六時中彼の事を考えるようになってしまった
タイウィンの退屈な話を聞いてる時も、ターガリエンの征服の歴史を読んでいる時も
聞こえてくる音はクークークー
だがいつまで考えても、何故オーソンがそんな事をするのか見出す事は出来なかった
しかし全ての甲虫が理由もなく殺されてると考えるのがあまりにも恐ろしくて
ティリオンは何とか理由を見つけようとしていた

毎日世界中で男も女も子供も山のように殺されてるんだ
どうでもいい甲虫がいくら死のうと誰が気にするんだ?

ああわかってるさ・・だがそれでも恐ろしくて仕方がないんだよ
何年も積み重ねられた数え切れない虫が、潰され干からび土に返る
俺は夢の中で見渡す限り甲虫の死骸で埋め尽くされた浜辺に立っている自分を見た
俺は泣いて起きたよ・・・虫たちの砕け散った死体が哀れで・・・
一度、オーソンを止めようとしたんだ

あいつはお前の二倍はあった
彼はクーと唸り俺を払いのけ、甲虫を潰し続けた
ラバが彼の胸を蹴り飛ばして殺すまでずっと・・・
なあ、どう思う?・・・何で彼はあんな事をしてたんだ?何のために?・・
・”
わからない・・・
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その時、決闘裁判の始まりを知らせる鐘が鳴った
結局、何故オーソンが虫を殺し続けていたのかはわからず
死刑前の死刑囚のような生死についての熟考は時間切れとなった














〓 決闘裁判 〓


牢から出され決闘裁判の行われる広場まで連行されるティリオン
晴天の海の見える広場には多数の観客が決闘の開始の時を待っていた

ティリオンの決闘代理人のオブリンは厚手の皮の鎧だけという軽装で
ワインを飲みながらリラックスムード
もしオブリンがしくじれば、自分も処刑される事になるティリオンは
兜さえつけないオブリンの余裕に逆に不安を煽られる

しかしマウンテンが現れ、その巨体と要塞のような鎧を見て
オブリンの愛人エラリア・サンドは顔色が変わる
あんなのと戦うっていうの?
あれを殺すんだ
今まで見た中で一番大きい男だわ
ベッドの上じゃ大きさは関係ないぜ
ありがたい話だ・・・
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たどたどしく、長々しいパイセルの決闘裁判の宣誓がタイウィンの指示で途中で打ち切られ
すぐに決闘の時はやってきた
頭からつま先までフルプレートの鎧を身に付けたマウンテンは巨大な大剣を抜き
オブリンは刃が波打った美しい槍を手に取り、エラリアとキスを交わす

オブリンは踊るように華麗に槍を回し、笑顔で観客の歓声を浴びる
そしてマウンテンの方を向き直り、決闘が始まった
豪快に振り回すマウンテンの剣を交わしつつ話かけるオブリン

俺が誰だか聞いたか?
すぐに死体になる男だ
俺はエリア・マーテルの兄・・・何故俺がこんな臭い場所に来たかわかるか?
こんなクソ溜まりの街へ・・・・・・・お前だよ
お前が死ぬ前に認めさせる・・・妹をレイプし・・殺したと・・・彼女の子達もだ
今すぐ認めればすぐに楽にしてやるぜ

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マウンテンは何も答えず、オブリンに襲い掛かるが
オブリンは槍で剣を払い、後ろに周りこみながらマウンテンの兜を叩き飛ばす

言え・・・妹をレイプしたと・・・殺したと!
彼女の子達を殺したと・・・


マウンテンの剣の力に逆らわず、華麗にかわすオブリン
笑顔で舞いながら観客にアピールする余裕まで見せる
しかし妹の事を問い詰めようとして熱くなりすぎ
槍の柄を切られ、さらに弾き飛ばされ地面にころがる

2本目の槍を従者から受け取ったオブリンは、さっきより攻撃的になり
マウンテンに力で押されるものの、隙を見て槍を的確に刺していく
分が悪くなり突進してくるマウンテンをかわし、隙だらけの背後から足の腱を切る
そして跪いたマウンテンに飛び掛り、ついに槍をその胸に突き刺した
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おい待て・・・死んだのか・・
ダメだダメだ・・・まだ死ぬなよ、まだ白状してないだろ
言えよ・・・エリア・マーテルの名を言うんだ
お前がレイプしたんだ・・・・妹の子達を殺したんだ・・・
誰がお前に命令を出したんだ・・・誰がお前に命令を出したんだ!!
言え・・・言うんだ・・・彼女の名前を・・・


オブリンは倒れたままのマウンテンのまわりをウロウロしながら
タイウィンを指さし、大声で呼びかける
すると死んだと思っていたマウンテンが突如動き、オブリンの足を取って倒した
マウンテンはオブリンを掴んで殴り、殴られたオブリンの口から歯が何本も飛び散った
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エリア・マーテル、俺がそいつの子供達を殺した
そしてそいつを犯した・・・それからそいつの頭を潰したやったんだ、こんな風にな!!


マウンテンはオブリンに跨り、両手で頭を掴んだ
その親指は目を潰し、恐ろしい悲鳴と共にオブリンの目からは血が溢れる
そしてマウンテンはエリア・マーテル殺害を自白しながら、両手に全力を込め
オブリンの頭は絶望的な衝撃音を出して潰れ、血と骨が砕け散った





叫ぶエラリア
力付きて倒れるマウンテン
その光景を満足そうに眺めるサーセイ
そして虚ろな目で口を開けたまま放心状態のティリオン

タイウィンは立ち上がって言う
これが神の下した結果だ、ティリオン・ラニスター
バラシオン家のトーメン王の名において、ここに死刑を宣告する

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